森の掟

J-POPやメタルやフェスや音楽番組なんかの批評(という名の無益な墓掘り行為)

2023年紅白歌合戦の裏テーマと、欠けていた最後のピース

必然性も脈絡もなにもあったもんじゃない、このカオスこそが紅白の醍醐味なんだと思ってるし、そんな紅白が大好き。 そして今年は明確な裏テーマがあったことに気づいてしまった。 ただ、そのテーマにいちばん大切なピースが欠けていたのも事実。

映画『首』を見て、生首に執着するヤバい部族だった武士が美化されていった理由を考えた

戦国武将を、生首に執着するヤバい部族として扱った北野武監督の映画『首』。 北野武監督の作風と戦国時代という舞台の相性がものすごくよかった。 侍ジャパンとか武士道とかいって美化されてるけど、そもそも武士ってどんな存在だったかを、誇張しつつも生…

ビートルズ最後の新曲を可能にした「デミックス」はもっと可能性がありそう

ビートルズ最後の新曲を可能にした「デミックス」という技術について、わかりやすく解説しました。ビートルズ以外の楽曲にもこれからどんどん応用してもらいたいのでとりあえず3アーティスト挙げてます。

ユニコーン『ええ愛のメモリ』はAI使用の模範解答なのでは!?

若い頃の本人の声から生成したAIに歌わせたことで話題のユニコーンの配信限定EP『ええ愛のメモリ』。 若気の至り的な初期の名曲「Maybe Blue」のセルフパロディが最高なんだけど、これって音楽におけるAI使用の模範解答なんじゃないかと考えさせたれた。

「みんなちがって、みんないい」の時代にも『ポップミュージックはリバイバルをくりかえす』のか

『ポップミュージックはリバイバルをくりかえす』を読んで刺激を受けて思い出した個人的なリバイバル体験、そして「みんなちがって、みんないい」の時代にもリバイバルはくりかえされるのかを考えた

フジロック2023の3日目でサハリンと大阪千日前と会津磐梯山と架空の80年代を行ったり来たり

今年もフジロックに3日目のみ行ってまいりました(レポート書き上げるのに1ヶ月かかってしまった) 結論から申し上げると最高でございました。 ベスト5は…民クル、BLACK MIDI、GINGER ROOT、赤犬、OKI DUB

『離婚しようよ』からマジで民主主義を学んだ(あと元ネタをたくさん見つけた)

Netflixの『離婚しようよ』は、宮藤官九郎と大石静のおいしいとこどりでありつつ、最終的に民主主義って何なのかを「赤シャツ」に教えてもらう結果になっててすごい。登場人物たちの元ネタも紹介してます。

「オルタナ」って何なのか説明が難しかったのでがんばってみた

美学校の受講生の方からの質問に触発され、音楽の話によく出てくる「オルタナ」って言葉について、Wiki的な説明じゃ掴めない、時代の空気とか刹那的なニュアンスも含めてがんばって説明してみました。ダウンタウンはオルタナ。

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は音楽の使い方だけが残念だった

『ザ・マリオブラザーズ・ムービー』の音楽の使い方がダメだった理由について。 同じイルミネーション制作の『怪盗グルー』シリーズとの比較や、『ベイビー・ドライバー』と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を参考にした改善案も。

(語彙力)を超えて

(語彙力)っていう言い回しが重宝される状況ってあるよね、だけどしっかりした言葉で推しを語れたらかっこいいよね、そういう「語彙力」を身につける方法ってあるのかな、という話

シティポップブームの終わりの終わりに届いた9000通のFAX

あらゆるブームの宿命として、マジョリティの後にレガード層に届いたらそれはもう終わりの合図。NHK『あさイチ』で放送されたシティポップ特集は、ブームの終わりの終わりになるのか?そして視聴者がFAXで投票したシティポップベスト5で最終防衛ラインは突破…

『チェンソーマン』が1997年にアニメ化されていたらエンディングは誰だったか?全12話分をリスト化!

アニメ『チェンソーマン』の週替りED企画を第2期でもやってほしいという願望をひとひねりして、作品の舞台である1997年のアーティストでリスト化。 前向きだか後ろ向きだかよくわからない姿勢だけど書いててめっちゃ楽しかったことは確かです。

『どうする家康』放送開始記念!これから大河ドラマを一生楽しむための味わい方を解説します

『どうする家康』に限らず大河ドラマに共通する味わい方としては、①恋愛観や身分の感覚など現代人と落差がある部分をどう感情移入できるように描くか、②歴史上の有名エピソードや有名な人物をどんな解釈で描くか、という、集約するとこの2点。

恋愛至上主義社会のサウンドトラックとしての松任谷由実、その功績を今こそ考える

デビュー50周年をめぐるユーミン語りの中でも、バブル期の恋愛至上主義を象徴する存在だったことは忘れられがち。しかし今こそ、あの頃のイケイケのユーミンが果たした役割について考えてみたい。

シティポップの最終防衛ラインが突破されるとき

お茶の間レベルにまで浸透したシティポップ再評価ブーム。どこまでがシティポップかというラインは、ビジネス上の狙いもあり拡大していく一方なんだけど、ここを超えたら危ないぞという最終防衛ラインを設定してみました。TUBEやC-C-Bや、あのグループまでが…

『知られざるヴィジュアル系バンドの世界』を読んで思い出した、「ヴィジュアル系」という言葉がまだなかった頃の話

『知られざるヴィジュアル系バンドの世界』という本を読んで、「ヴィジュアル系」という言葉がまだなかった90年代にバンドを始めた高校生だったあの頃のことを思い出した。1998年のメガネ革命前夜、ヴィジュアル系的なものは普通にメインストリームでした。

仁義なき『鎌倉殿の13人』

2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』がめちゃくちゃおもしろい。 『仁義なき戦い』などの実録ヤクザ映画との共通点を探りつつ、「力」をめぐる物語として理解していこうという試み。

ヘヴィメタル=モンゴル発祥説

今年のフジロックでもっとも知的に刺激されたのが、モンゴルのバンド、THE HU(ザ・フー)。 度々ヘヴィメタルを話題にしてきた当ブログとしては、ここには触れざるを得ないかと思っています。 最終的にヘヴィメタル=モンゴル発祥説にたどり着きました。

概念としてのクラブ/民藝J-POPとしての「糸」〜『オトネタ大賞・2022上半期』をふりかえって

先日マキタスポーツさん、ラッパーのカンノアキオくん、そしてわたくしハシノの3人で2022年上半期のJ-POPシーンを語りました。この配信の中で話題になった、「概念としてのクラブ」「糸のカバーが多すぎる件」についてさらに掘り下げてみました。

ギターという楽器が特権性を失っていく過程から考える「ギターソロ論争」

ニューヨーク・タイムズの記事をきっかけに「ギターソロ論争」が盛り上がってますが、肝心なギターという楽器の特権性について掘り下げた議論があまりなかったので、そっちメインで書きました。

「関ジャム 完全燃SHOW 若手アーティストが選ぶ最強平成ソング BEST30」から漏れてしまった「平成み」をリアルタイム世代が分析する

2022年5月6日の『関ジャム 完全燃SHOW』ゴールデン2時間SPにおいて、「令和に活躍する若手アーティストが選ぶ最強平成ソング BEST30」が発表された。ずっとJ-POPを観察してきたリアルタイム世代としては、このランキングは非常に興味深い。誰もが気になるあ…

「大人」の対義語が「子供」じゃなくなったのはJ-POPのせいです

「自分は大人だと思う」と答えた日本人は27%しかおらず他国と比べて圧倒的に低い割合だったらしい。日本語における「大人」の用法にはネガティブなニュアンスが強いからだと思うんだけど、それはおもにJ-POPのせいだと思う。

美学校「歌謡曲〜J-POPの歴史から学ぶ音楽入門・実作編」2021年度をふりかえって

美学校の「歌謡曲〜J-POPの歴史から学ぶ音楽入門・実作編」は2022年5月度も開講しますので、内容が気になる方むけに、2021年の講義を詳しくふりかえってみました!

『ゴーストバスターズ アフターライフ』映画評と2015年リブート版の供養(ネタバレあり)

『ゴーストバスターズ アフターライフ』は、あらゆる面で過去作とは対照的でありつつ、往年のファンにも納得の仕上がり。その理由を「ニューヨーク性」をキーに読み解きつつ、2015年のリブート版が5年早かった理由についても語ります。

バンドはけん玉だ

バンドは「この世の中でもっともコスパの悪いエンタメ」になってしまっているけれど、このまま滅びてしまうのか、それとも復権するのか?その手がかりを、三山ひろしのけん玉から探ります。

「くそくらえ節」から「うっせえわ」に至る反抗のJ-POP史(1968-2021)

「うっせえわ」が新鮮だった理由/バビロンシステムへの反抗/J-POPは反抗したか/学校への反抗

世襲議員が多いのは仕方がない(ホモサピエンスの脳が宇多田ヒカルを処理するとき)

何かと問題視される世襲議員。なのに減らない理由について考えてみた。ひとつは日本社会の安定性が原因。もうひとつは、人類の脳の構造が原因だと思う。戦中生まれの父が宇多田ヒカルを認知した方法から考えてみました。

AIが普及しても作曲家と棋士は生き残れるか

作曲AIが話題になっている。 AIに楽曲を生成させることができ、できた曲は著作権フリーで自由に使えるというもの。 AIにはギャラも払う必要なく何百曲でも作ってくれるし変なプライドもないからやり直しもさせ放題なので、人間の作曲家はもう不要になってし…

髭男も猿岩石も、みんな後ろめたさを歌ってきた

髭男、猿岩石、Ado、SEKAI NO OWARI、MOROHAが歌ってきた「後ろめたさ」の系譜について。

実は今年もフジロックに行ってきた

実は今年のフジロックに行っていました。 最終日8月22日の1日券をずっと前に買っていたんだけど、当日の朝まで行くかどうか決めかねていて、発券もしていなかったほど。 で、いろいろ考えた末に行くことにした。 2020年は開催されず、2021年も入場者数を半数…