森の掟

J-POPやメタルやフェスや音楽番組なんかの批評(という名の無益な墓掘り行為)

J-POP

吉田拓郎の、矢沢永吉の、佐野元春の何がすごかったのか、後追い世代には少々難しいので『日本ポップス史 1966-2023』を読む

Vaundyからムッシュかまやつまで、時代を彩ったポップスター30人のすごさを、音楽理論や時代の空気や自分史などの観点から多角的に語ったスージー鈴木『日本ポップス史 1966-2023』。その書評と、自分なりに受け取ったバトンの話。

子連れでも見たいもの(おとぼけビ~バ~、キリンジ、エムドゥ・モクター、ヒョゴ & 落日飛車、Vaundy)はだいたい見れたフジロック2025

今年のフジロックは、おとぼけビ~バ~、キリンジ、MDOU MOCTAR(エムドゥ・モクター)、HYUKOH & SUNSET ROLLERCOASTER | AAA、Vaundyを目当てに金曜に参加。すごく久しぶりに子連れで行ってみました。

フィッシュマンズを熱愛する海外の音楽通がなぜキリンジや荒井由実には反応しないのか(お茶漬けスピッツ納豆サザン)

フィッシュマンズをはじめとする何組かの日本のアーティストが海外の音楽通に大人気な一方で、キリンジとか荒井由実とかサザンとか小沢健二のように、日本の音楽通にだけ評価されていて海外にはいまいち刺さっていないアーティストもいる。その差はどこから…

MUSIC AWARDS JAPANにかける音楽業界の意気込みをひしひしと感じつつも気になったこと

先日のMUSIC AWARDS JAPANの授賞式は実に見事で、権威ある音楽賞を日本でも成り立たせたいという音楽業界の意気込みをひしひしと感じた次第。その上で、来年以降に期待することや気になったこと、「ライディーン」に続く大ネタ予想など。

音楽業界におけるデータドリブンは30年前にオウム君が消えたときから始まった

世の中どんどんDX化とデータドリブン化が進んでいる。音楽業界も例外ではないんだけど、実は30年以上前から始まっていた。街からオウム君の看板が消えたあの頃から。

音楽の新陳代謝が止まって「ダサい」がなくなったことの功罪

90年代までは、音楽批評においてもミュージシャンの自意識やリスナーの感覚においても、ポピュラー音楽には一定のスパンで新陳代謝が必要で、時代遅れになったものは顧みられることはないっていう感覚があった。 ところが、21世紀に入ってからはというと、特…

B'zダサい論争を読み解いたら紅白に足りなかったものが見えてきた

2024年の紅白歌合戦の最大のサプライズだったB'z。その余波としてSNS上で盛り上がったB'zダサい論争について、90年代の空気感から丁寧に読み解きました。 すると、今年の紅白が地味だと言われた理由がなんとなく見えてきた。

『LL教室のリズム歌謡大百科』をひっさげて、文学フリマ東京39に出店します!

文学フリマ東京39(2024/12/01)で『LL教室のリズム歌謡大百科』をリリースします! 現代のリズム歌謡とでも言うべき音ゲー『ポップンミュージック』シリーズの音楽を手掛けた杉本清隆さんとのトークイベントの文字起こしや、昭和〜平成のリズム歌謡ディスク…

孤高そうでそんなに孤高じゃないブランキー・ジェット・シティの音楽性を分析してみた

サブスク解禁記念!ブランキーに初めて触れる人や久しぶりに聴く人のためのガイドとして、孤高の存在だと思われがちな彼らの音楽性を分析してみました。意外なアーティストたちと音楽的な異母兄弟だということが判明したのでご紹介。

いまこそ日本のR&Bについて考える〜オルタナティブR&Bの背景など

LL教室が日本のR&Bのこれまでとこれからを語りまくったイベントのご紹介と、イベント内で出しきれなかった個人的なR&B観について。 もとは兄弟のように成立したR&Bとロックだけど、いろんなところが全然違ってておもしろい!って話と、オルタナティブR&Bが盛…

『夢と生きる バンドマンの社会学』を読んで、音楽で食えなかったバンドマン崩れが音楽で食うを考える

『夢と生きる バンドマンの社会学』…。 かつては本気でバンドで食っていくことを目指していたいわゆるバンドマンの成れの果てであるわたくしにとって、気になりすぎるタイトルの本が出た。 人生を賭ける夢に出会えたことの幸福と困難――。いつの時代にも少数…

ZAZEN BOYS『らんど』を聴きながら、新宿革命記念公園があり得た世界線を妄想してみる

そんな公園は存在しないんだけど、言葉としてあまりにも収まりがよすぎて、一瞬ほんとにあるんじゃないかと思わせてしまう「新宿革命記念公園」。 その確かな手触りは、それがこの世界のすぐとなりに存在するっていう実感からきている気がする。 戦後史の中…

2023年紅白歌合戦の裏テーマと、欠けていた最後のピース

必然性も脈絡もなにもあったもんじゃない、このカオスこそが紅白の醍醐味なんだと思ってるし、そんな紅白が大好き。 そして今年は明確な裏テーマがあったことに気づいてしまった。 ただ、そのテーマにいちばん大切なピースが欠けていたのも事実。

ユニコーン『ええ愛のメモリ』はAI使用の模範解答なのでは!?

若い頃の本人の声から生成したAIに歌わせたことで話題のユニコーンの配信限定EP『ええ愛のメモリ』。 若気の至り的な初期の名曲「Maybe Blue」のセルフパロディが最高なんだけど、これって音楽におけるAI使用の模範解答なんじゃないかと考えさせたれた。

フジロック2023の3日目でサハリンと大阪千日前と会津磐梯山と架空の80年代を行ったり来たり

今年もフジロックに3日目のみ行ってまいりました(レポート書き上げるのに1ヶ月かかってしまった) 結論から申し上げると最高でございました。 ベスト5は…民クル、BLACK MIDI、GINGER ROOT、赤犬、OKI DUB

「オルタナ」って何なのか説明が難しかったのでがんばってみた

美学校の受講生の方からの質問に触発され、音楽の話によく出てくる「オルタナ」って言葉について、Wiki的な説明じゃ掴めない、時代の空気とか刹那的なニュアンスも含めてがんばって説明してみました。ダウンタウンはオルタナ。

(語彙力)を超えて

(語彙力)っていう言い回しが重宝される状況ってあるよね、だけどしっかりした言葉で推しを語れたらかっこいいよね、そういう「語彙力」を身につける方法ってあるのかな、という話

シティポップブームの終わりの終わりに届いた9000通のFAX

あらゆるブームの宿命として、マジョリティの後にレガード層に届いたらそれはもう終わりの合図。NHK『あさイチ』で放送されたシティポップ特集は、ブームの終わりの終わりになるのか?そして視聴者がFAXで投票したシティポップベスト5で最終防衛ラインは突破…

『チェンソーマン』が1997年にアニメ化されていたらエンディングは誰だったか?全12話分をリスト化!

アニメ『チェンソーマン』の週替りED企画を第2期でもやってほしいという願望をひとひねりして、作品の舞台である1997年のアーティストでリスト化。 前向きだか後ろ向きだかよくわからない姿勢だけど書いててめっちゃ楽しかったことは確かです。

恋愛至上主義社会のサウンドトラックとしての松任谷由実、その功績を今こそ考える

デビュー50周年をめぐるユーミン語りの中でも、バブル期の恋愛至上主義を象徴する存在だったことは忘れられがち。しかし今こそ、あの頃のイケイケのユーミンが果たした役割について考えてみたい。

シティポップの最終防衛ラインが突破されるとき

お茶の間レベルにまで浸透したシティポップ再評価ブーム。どこまでがシティポップかというラインは、ビジネス上の狙いもあり拡大していく一方なんだけど、ここを超えたら危ないぞという最終防衛ラインを設定してみました。TUBEやC-C-Bや、あのグループまでが…

『知られざるヴィジュアル系バンドの世界』を読んで思い出した、「ヴィジュアル系」という言葉がまだなかった頃の話

『知られざるヴィジュアル系バンドの世界』という本を読んで、「ヴィジュアル系」という言葉がまだなかった90年代にバンドを始めた高校生だったあの頃のことを思い出した。1998年のメガネ革命前夜、ヴィジュアル系的なものは普通にメインストリームでした。

概念としてのクラブ/民藝J-POPとしての「糸」〜『オトネタ大賞・2022上半期』をふりかえって

先日マキタスポーツさん、ラッパーのカンノアキオくん、そしてわたくしハシノの3人で2022年上半期のJ-POPシーンを語りました。この配信の中で話題になった、「概念としてのクラブ」「糸のカバーが多すぎる件」についてさらに掘り下げてみました。

ギターという楽器が特権性を失っていく過程から考える「ギターソロ論争」

ニューヨーク・タイムズの記事をきっかけに「ギターソロ論争」が盛り上がってますが、肝心なギターという楽器の特権性について掘り下げた議論があまりなかったので、そっちメインで書きました。

「関ジャム 完全燃SHOW 若手アーティストが選ぶ最強平成ソング BEST30」から漏れてしまった「平成み」をリアルタイム世代が分析する

2022年5月6日の『関ジャム 完全燃SHOW』ゴールデン2時間SPにおいて、「令和に活躍する若手アーティストが選ぶ最強平成ソング BEST30」が発表された。ずっとJ-POPを観察してきたリアルタイム世代としては、このランキングは非常に興味深い。誰もが気になるあ…

「大人」の対義語が「子供」じゃなくなったのはJ-POPのせいです

「自分は大人だと思う」と答えた日本人は27%しかおらず他国と比べて圧倒的に低い割合だったらしい。日本語における「大人」の用法にはネガティブなニュアンスが強いからだと思うんだけど、それはおもにJ-POPのせいだと思う。

美学校「歌謡曲〜J-POPの歴史から学ぶ音楽入門・実作編」2021年度をふりかえって

美学校の「歌謡曲〜J-POPの歴史から学ぶ音楽入門・実作編」は2022年5月度も開講しますので、内容が気になる方むけに、2021年の講義を詳しくふりかえってみました!

バンドはけん玉だ

バンドは「この世の中でもっともコスパの悪いエンタメ」になってしまっているけれど、このまま滅びてしまうのか、それとも復権するのか?その手がかりを、三山ひろしのけん玉から探ります。

「くそくらえ節」から「うっせえわ」に至る反抗のJ-POP史(1968-2021)

「うっせえわ」が新鮮だった理由/バビロンシステムへの反抗/J-POPは反抗したか/学校への反抗

世襲議員が多いのは仕方がない(ホモサピエンスの脳が宇多田ヒカルを処理するとき)

何かと問題視される世襲議員。なのに減らない理由について考えてみた。ひとつは日本社会の安定性が原因。もうひとつは、人類の脳の構造が原因だと思う。戦中生まれの父が宇多田ヒカルを認知した方法から考えてみました。