森の掟

J-POPやメタルやフェスや音楽番組なんかの批評(という名の無益な墓掘り行為)

書評

『夢と生きる バンドマンの社会学』を読んで、音楽で食えなかったバンドマン崩れが音楽で食うを考える

『夢と生きる バンドマンの社会学』…。 かつては本気でバンドで食っていくことを目指していたいわゆるバンドマンの成れの果てであるわたくしにとって、気になりすぎるタイトルの本が出た。 人生を賭ける夢に出会えたことの幸福と困難――。いつの時代にも少数…

「みんなちがって、みんないい」の時代にも『ポップミュージックはリバイバルをくりかえす』のか

『ポップミュージックはリバイバルをくりかえす』を読んで刺激を受けて思い出した個人的なリバイバル体験、そして「みんなちがって、みんないい」の時代にもリバイバルはくりかえされるのかを考えた

『知られざるヴィジュアル系バンドの世界』を読んで思い出した、「ヴィジュアル系」という言葉がまだなかった頃の話

『知られざるヴィジュアル系バンドの世界』という本を読んで、「ヴィジュアル系」という言葉がまだなかった90年代にバンドを始めた高校生だったあの頃のことを思い出した。1998年のメガネ革命前夜、ヴィジュアル系的なものは普通にメインストリームでした。

ハードオフでウサギ狩り、または退屈しのぎに親になること〜『暇と退屈の倫理学』より

人間はなぜ退屈するのか。なぜ退屈に耐えられないのか。なぜ初物を見たら寿命が75日のびるのか。

『人志とたけし: 芸能にとって「笑い」とはなにか』杉田俊介

最近の松ちゃんはなんであんな感じなのか?っていうのは自分もずっとモヤモヤしていたので、『人志とたけし』の松本人志論にはすごく刺激をうけた。 その上で、若干感じ方が違うなと思ったところがあったので、せっかくの機会なので自分なりに松本人志につい…

うちの子には「育ちがいい」子供になってほしい

ずっと謎だった「育ちがいい」っていう言葉の意味が、「文化資本」という社会学の概念によってちょっとわかったかもしれない。 子を持つ親のひとりとして、じゃあどんな文化資本を子供に渡すことができるのか、ついでにそこまで考えてみた。

書評:『80年代音楽解体新書』スージー鈴木

音楽は魔法というより科学に近い 最近読んだ本のなかでかなり刺激を受けたのが、「80年代音楽解体新書」という、音楽評論家のスージー鈴木さんがウェブで連載していたものを一冊にまとめたもの。 80年代音楽解体新書 (フィギュール彩 Ⅱ 1) 作者: スージー…

書評:『メタル脳 天才は残酷な音楽を好む』中野信子

科学ネタとして消費されるヘヴィメタル Twitterとかでよく流れてくる、好きな音楽ジャンルによって性格がわかるとか、音楽を聴かせるとワインがおいしくなったとか、そういうアカデミックな装いをした記事あるでしょ。 だいたいそういう記事においては、メタ…