日頃サラリーマンとしての仕事や育児に追われている自分が、有給消化で平日に休みを手にいれたとき、どう過ごすのが有意義か。
どうせなら平日仕事をしていたら絶対できないことをやってやろうということで思いついたのが、国会の傍聴。
実際やってみるとすごくわかりにくい部分があり、ネット上の情報だけでは全然足りなかったので、そのあたりも詳しく書きました。ガイドとしてもお役に立てたら幸いです。
国会の仕組み
新聞やSNSで政治に関するニュースをわりと積極的に読んでるタイプだと自認しているのだが、よく考えたらそもそも国会っていつやってるのか、それすらわかっていなかった。
調べたところ、まず「通常国会」というのと「臨時国会」「特別国会」というのがあるらしい。
これも名前はよく聞くものの、どういうものなのかいまいち理解していなかった。教科書に載っていたような気もする。社会科は得意科目だったはずなのにその程度。
ウィキによると、通常国会というのが毎年1月から6月ぐらいまでやってるレギュラーの国会で、一方、臨時国会と特別国会はイレギュラーなやつで、必要に応じて開かれると。
それぞれの期間中、参議院と衆議院の両方で質疑や採決が行われていく。
あと国会には本会議と委員会っていうのがある。
テレビでよく見る例の広い議場に議員全員が揃ってやるのが本会議で、それとは別にテーマごとに集中して議論するのが委員会。
一般人が普通に傍聴できるのは本会議のほう。委員会は議員の紹介があれば傍聴できるらしい。
あ、そうそう。国会を見に行くといっても、2つのやり方があって。
修学旅行とかで議場なんかを案内されながら見て回る「見学」と、実際の質疑の様子を見る「傍聴」。
今回は「傍聴」です。
調べたところ、2020年の通常国会がちょうど1月20日から始まるということと、通常国会の初日には天皇出席の開会式だとか総理大臣による施政方針演説が行われることがわかった。
これはなかなかスペシャル感のあるイベントではないかということで、野次馬ノリでちょっと見に行ってやろうかなと思ったのだった。
まずは参議院、受付から議場まで
本会議は一般的に正午からスタートするみたいなんだけど、通常国会の初日だからなのか、10時から参議院で始まるとのこと。Twitterで国会中継してるアカウントがそう言ってた。
参議院のサイトに、開会時刻の30分前から先着順に傍聴券を交付すると書いてあったんだけど、傍聴のキャパが何人なのかとか、どれぐらい混むのかとか全然わからず、せっかく行っても満員だったらどうしようなどと不安になりつつ、参議院別館というところへ。
テレビなんかによく映る国会議事堂の正面ではなく、完全に裏手。
徹夜組とかもいたりして受付の前に長蛇の列ができていたりするのかとかビビりながら、東京メトロ永田町駅を降りて地上へ。9時15分。路上にはみ出した列らしいものは見当たらず。
参議院別館に入ってみると、傍聴券の配布開始を待っている感じの人は3人ぐらいしかいなかった。完全に拍子抜け。
国民の政治への関心ってこんなに薄いのかよ!と、これでいいのか令和の日本よ!と、憂国の志士きどりで待機。
9時30分になると、運転免許の更新のところみたいな感じの窓口で、傍聴券の配布開始が告げられる。
申込用紙に、住所と氏名と年齢と電話番号を記載し、本人確認書類とともに提出。
本人確認書類の提出は「お願い」という言い方だったので、義務ではないかもしれない。
美術館のチケットみたいな傍聴券を手渡される。厚紙でできていて、切り取り線がある。切り取られる側に住所氏名年齢、手元に残る側にも氏名年齢を自分で記入するように言われる。あと、安全ピンがついた赤いリボンを手渡され、目立つ場所につけるように言われる。
傍聴券を受け取ると、一度外に出て、通用門から入るように言われる。
通用門で傍聴券を見せて入れてもらう。
警備のおまわりさんみたいな人がたくさんいるが、威圧感はない。親切に順路を案内される。
かれらはおまわりさんではなく、衛視っていう、特殊な公務員らしい。
衛視に誘導されるままに建物の中に入ると、ロッカーがあり、かばんや上着、スマホなど持ち物をすべて入れるように言われる。持込可能なのは筆記用具と財布ぐらい。
身軽になった状態で、空港の保安検査みたいなゲートをくぐらされる。なかなか厳重なもんだが、まあ仕方ない。
安全ピンつきのリボンはここで回収される。ここまで誰のチェックも受けなかったし、リボンが傍聴券と別になっている理由がわからない。何のためだったのかとても謎。
その後、エレベーターで地下に降り、しばらく廊下を進み、またエレベーターに乗り、といった感じで複雑なルートを経て議場へ。
廊下は朱色っぽい絨毯が敷き詰められていて、議場の扉は年代を感じさせる木製の扉で、なんだか気分が盛り上がってくる。
議場、いよいよ本会議
まず、衛視による注意事項を聞く。
演説や質疑に対して、賛成!とか反対!とか声をあげることどころか、拍手することも禁止なんだと。そうことやったらつまみ出されるんだろうか。勇気がなくてやらなかったけど。
衛視は警察官じゃないにしても警棒をぶら下げているのが見えるし、もしかしたら拳銃もどこかに携帯しているかもしれない。
注意事項を聞いたら年代物の扉を開けて議場へ。
テレビでよく見るあの議場を見下ろす感じで、武道館でいう1階席にあたる場所に傍聴席がある。傍聴席は議場を囲むように3面あるが、今回は人数が少ないせいか1箇所だけ開放されてみんなそこに誘導された。
最前列はテレビ局のカメラマンが三脚にカメラを据えてズラッと並んでいる。
その後ろから階段状に傍聴席になっている。傍聴席の最前列は座ったらダメで2列めからお願いしますと衛視に言われる。テロ防止のためか。
センターに一段高い議長席があり、その手前に演説する場所。ここで牛歩戦術をやるんだなとかいろいろ考えながら待機。
9時50分になるとけたたましくベルが鳴り、職員や国会議員がぞろぞろと議場に入ってくる。正月だからなのか、初日だからなのか、着物姿の女性議員が結構いる。
自分が着物業界の人間だったら、国会で男女ともに着物を着るようにロビイングするだろう。
視力が弱いのであまり議員を視認できなかったんだけど、キャラ立ちしてる何人かはわかった。れいわ新選組の2人も介助人とともに椅子のない最後列に陣取っていた。
10時ちょうどになると、山東昭子参議院議長が本会議の開始を告げる。
そして、今回の国会でどんな委員会を設けるか、みたいな話をして、異議ありませんかと議員に問いかける。
異議なしと認めましたので決定しますみたいなことを言って、これにて休憩に入りますと。
なるほど休憩ね。この後ぐらいに天皇陛下が参加する開会式ってやつがあるのかな、なんて思っていたら、衛視の人から出ていくようにうながされた。
時計がないので正確にはわからないけど、おそらくまだ10時5分ぐらいだよ。
あまりのことに、他の傍聴者もざわついていた。
休憩とはいっても、このあと衆議院でも本会議があってその後にあらためて参議院になるらしく、15時40分を予定しているが正確にはわかりかねるとのことで、傍聴者は一旦外に出される。
ほんとにこれで終わりらしい。あまりにあっけなさすぎて呆然とする傍聴者一同。
初日は天皇出席の開会式とか総理大臣による施政方針演説とかがあるんじゃないのか。
なぜ一気にやらずに休憩になるのか。
あの5分のために議員は地元から上京してきたのか。いろいろわからない。
わからないなりに再びネットで調べたら12時から衆議院でも同じように本会議が行われるとのこと。
さっき参議院の衛視さんは、衆議院でいろいろやってから15時半ぐらいから参議院の本会議の続きになりますと言っていた。つまり12時から15時ぐらいまでやるんだろうなと見当をつけて、衆議院の傍聴手続きへ。
ちなみに参議院別館の誰でも入れるエリアには国会みやげを買える売店がある。
歴代総理マグカップや湯呑み、安倍総理のまんじゅう、ネクタイピンといった、絶妙にそそらないラインナップだったので何も買わなかった。
プロ野球選手名鑑みたいなやつがあれば絶対買ったのだけど。
衆議院の傍聴の流れ
衆議院は、参議院の逆サイドに位置している。最寄り駅は国会議事堂前駅。
先ほどのように国会議事堂の裏手からアプローチすることになる。
傍聴受付がある衆議院第一別館という建物は、参議院別館とほとんど同じ構造。
だけど、受付用紙とか手順とか傍聴券のデザインとかがちょっとずつ異なっている。
すぐに回収される謎のリボンはなし。
あと本人確認書類の提示は不要だった。住所氏名は虚偽でもパスできるんじゃないか。
参議院では傍聴券を受け取ったら一度外に出て通用門から議場に入るルートだったけど、衆議院では別館の建物内にゲートやロッカーがあり、そこで荷物を預けてチェックが済んだらそのまま議場への導線となる。
衆議院と参議院のあいだの裏手が地上から1フロア低い車寄せみたいになっていて、黒塗りの高級車がたくさん止まっている。その間を抜けて議場に入っていく。
すると議場の建物の地下にも傍聴受付みたいなところがあった。もしかしたら議員の紹介で傍聴する人とか団体用の受付なのかもしれない。
さっきの参議院のときよりも傍聴に参加してる人数が明らかに多い。数十人。
やはり、国会に詳しい人たちにとっては、さっきの5分で終わるやつじゃなく、こっちが本番なんだろう。参議院で傍聴が少ないことに憤っていた自分が恥ずかしいぜ。
やっとちゃんとした国会が見られそうだと、期待が高まる。
衆議院のほうが議席が多いので、議場は参議院よりも広々としており、また傍聴席のキャパも大きい。ざっと500人ぐらいは入れそう。
参議院と同じく10分前にベルが鳴り、職員や議員がぞろぞろと入ってくる。
参議院は、議長席をホームベースとすると三塁側が与党で一塁側が野党だったが、衆議院は逆らしい。メガネをかけて視力0.9なんだけど、議場にいる議員の顔や名札の文字が視認できない。
オペラグラスとかあったら便利そうなんだけど、おそらく持ち込み禁止だろう。
しかし足が不自由な人の杖はOKなんだから、視力がやや不自由なわれわれのオペラグラスも認めてくれてもよさそうなもんだけど。オペラグラスに見せかけたスナイパー対策ってことであれば、たとえば国会の側で貸し出してくれてもいいのにな。
どの議員がどんな様子でいるかが見えるともっと楽しめそうなので残念。
たまに球場で試合を見ながらスマホで中継動画も見てる野球ファンがいるけど、外野席からだと球筋とかは見えないのであの気持はわかる。
などと考えていると12時に。
参議院のあれと同じ感じで議長が出てきていろいろ確認事項を話す。
異議なしと認められましたのでこれにて休憩とします、というやつも同じ。
休憩とはいえ、さっきと違ってこのまま続きがあるんだろうと思っていると、なんとまた退出するように言われた。衆議院も5分で追い出されるとは。
釈然としないまま、来たのと同じルートを逆にたどって衆議院別館で荷物を受け取る。
開会式
またTwitterで調べたら開会式は13時からとのこと。
このまま15時とかまで続いたらさすがにお腹がやばいと思い、近くで軽く昼を済ませようと検索。
コンビニでもいいんだけど…と思ったが国会議事堂の周囲は議員会館とか総理官邸といった建物ばかりで店という店がない。グーグルマップは議員会館にセブンイレブンがあると教えてくれたけど、一般人が入れないエリアみたいで除外。
結局、ちょっと遠いけど坂を降りて赤坂見附のほうまで出て、ささっとうどんをやっつけることにしたんだけど、サラリーマンのランチタイムとかち合っておりまあまあの混雑っぷり。
思いのほか時間がかかってしまい、店を出たのが12時45分。13時からの開会式に間に合うかどうかギリギリなので、総理官邸の脇の上り坂を小走りで登る。ふうふう言いながら傍聴受付にたどり着くと、休憩明けはまだですけど?と言われてしまう。
あわててググり直したら、開会式は傍聴できないことになっているらしい。
衆参両院の議員全員が参議院に集合するので、傍聴席まで議員で埋まってしまうのと、あと開会式は会議ではなく儀礼なので傍聴の対象ではないんだと。
こちとら野次馬なんだから儀礼だろうが関係ないんだけどな。
1月とはいえ上り坂を小走りすると汗ばんで不快。
自分のググり方が中途半端だったせいだとは思うけど、とにかく情報がない。
衆議院や参議院の公式サイトにある情報は正確だけど一般論であり、リアルタイムじゃない。
リアルタイムのスケジュールを確認するにはTwitterが役立つが、公式じゃないので正確さを欠くし、傍聴人にむけた情報じゃなくスマホで中継動画を観たい人向けなので振り回される。
参議院別館には今日の本会議と委員会のスケジュールを映すモニターがあるけど、ものすごくざっくり、今日は本会議があるよ、いま休憩中だよ、ぐらいの情報しか表示されてない。
しょせん傍聴なんてひまなマニア向けの娯楽なんだろうけど、一応さ、議会制民主主義の透明性を担保するとかそういう役割はもっているんじゃないでしょうか。衛視をたくさん配置するとかそういうリソースはさけるんだったら、情報発信ももう少しなんとかならないか。
今日傍聴しにきてもいいけどたぶん5分でおわるよ?みたいな情報をツイートしてくれたらすごく助かる。
結局、参議院別館の受付のところにあるモニターで開会式の様子を流してくれたやつを観た。
議長席の背後にあるカーテンが開くと、背もたれに菊の紋があしらわれた玉座があり、そこに新しい天皇がいた。内外の諸問題の解決のためにみんなでがんばってください、みたいな発言があり、開会式は10分ぐらいで終わった。
これも学校で習った記憶あるな。天皇が国会を召集するというたてつけになってるやつだ。それ以上でもそれ以下でもなく、議論の内容には口を挟まないという役割。
映画『日本のいちばん長い日』なんかをみると、戦前は戦争をやめるかどうかみたいな重大なことにも、天皇の意向が強く反映されていた。そういうことはもうしないっていうのが戦後スタイル。
施政方針演説と政府四演説
開会式の次は14時から、衆議院で施政方針演説があるらしいことがTwitter情報でわかった。
古い病院の受付みたいな参議院別館のベンチに座って時間を潰し、13:30になると再び衆議院第一別館へ。
参議院では朝イチの傍聴が終わって外に出るとき傍聴券にスタンプを押され、午後また傍聴するときはこれを見せるようにと言われていたので、衆議院でもそうだろうと思ってさっきの傍聴券を受付で提示したら、「ダメですよもう一度最初から受付しないと」と、ちょっと叱るテンションで言われてしまった。
朝と同じ手順で用紙に記入して傍聴券を受け取って荷物をロッカーに預けてゲートをくぐって議場へ。今回も数十人。
さっきとの違いとして、議長席から一段低いところの横に並んだ椅子に、総理以下の内閣の主要メンバーが座ったこと。居並ぶテレビカメラが一斉に狙う。
さっき予習したんだけど、今から安倍総理の施政方針演説に加えて、外務大臣、財務大臣、経済担当大臣がそれぞれ演説するらしい。これが俗に政府四演説と呼ばれています。
まず、安倍総理の施政方針演説。
ニュース番組などで聞き慣れた声だけど、生ならではのアウラっつうかバイブスっつうかを感じる。
去年の台風のとき八ッ場ダムのおかげで被害が抑えられましたっていうくだりがあったんだけど、「民主党のみなさんがあんなに嫌った例の八ッ場ダム」というニュアンスを原稿の読み方ひとつで表現しちゃうあたり、さすがだと思った。
そういうノリが、どういう層を喜ばせ、どういう層をイラつかせるのか熟知してるって感じ。
もっとも人柄が出たなと感じたのはそのあたりで、あとは優秀なスタッフが集めてきたいい話を散りばめて、前向きな話をしていくスタイル。
施政方針演説っていうのがどういうものなのかとか、過去の他の総理がどんなことを語ったのかも詳しくは知らないけど、今回のはとにかくオリンピックで一致団結しようぜっていうのがテーマだったように思った。
福島の復興は順調、国の借金は減ってる、雇用はめっちゃ増えてる。
まるで、今の日本には何も問題が起こっていないような。
すげえな、と思って聞いていると、野党側から要所要所で激しいツッコミが入る。
「カジノどうすんだ!」とか「福島はまだ復興してないぞ!」とかそういう。
対抗するように、与党側からは独特の「よし!」というかけ声がかかる。明治時代とかからの伝統的なスタイルなんだろうか。あと拍手も大きい。
ただ、野党ものべつまくなしに野次っているわけではないのがおもしろかった。
AIとか5Gといった分野に注力しますとか、地域振興しますとか、そういう話は誰も反対しない。
沖縄の基地負担を減らしますとか、アベノミクスはうまくいってますとか、そういう意見が分かれてる話題になると激しくなる。
「野党は反対ばかり」っていう、よく言われるフレーズは眉唾だということがよくわかる。実際、ほとんどの法律が全会一致で採決されているというし。
てゆうか、内閣っていうか行政の側だけに機嫌よくしゃべらせていると都合のいいことしか言わないんだなってのも思った。これはどの党が政権を担っても同じで、構造的なもの。
野党からの建設的なツッコミあってはじめて成立するんだということを、体感できたのは大きな収穫だった。
茂木大臣の外交演説は、ロシアや北朝鮮や中国にどう対応していくかの話だったんだけど、別に踏み込んだことはなにもなし。うかつなこと言わないほうが外交ってのはいいのかもしれない。
麻生大臣の財務演説は、数字の羅列でめっちゃ眠くなった。財務演説っていうのはそもそもそういうものなんだろう。
最後に羽織姿の西村大臣が税金の使いみちの方針を語って終了。
すべて終わったのが15時半ごろ。
この後参議院でもまったく同じ内容の政府四演説が行われるらしいんだけど、まあ参議院にはさっき入ったし内容が同じならいいかなと思い、パス。
それにしても施政方針演説からの政府四演説はなかなかのボリューム感で、国会を傍聴したぞっていう気持ちにやっとなれた。
まとめ
国会というものについて、かつて教科書でひととおり習ったはずだし、また日々のニュースで耳にしているはずなのに、基本的な仕組みが理解できていなかったことがあらためてわかった。いい大人なのに。
傍聴すると決めてからいろいろ調べたことや、実際に傍聴席で見聞きしたことで、やっと生きた知識として自分の中に定着したなって、すごく実感してる。
今度もし機会があれば、質疑のキャッチボールが行われるときに傍聴したい。今回は演説やセレモニー的な感じの日だったので。
しかし傍聴って正確で詳しい情報がなかなか見つからないのと、そもそもスケジュールが流動的なのとで、正直なかなかハードルは高かった。たまたま一日中ヒマだったからできたことだなと。
そりゃあ、国会というのは議員がああでもないこうでもないと議論する場所であって、傍聴っていうのはあくまでその様子を見せてもらうっていう位置づけなんだろう。なのでスケジュールは議員の都合なのは仕方がないかもしれない。
でも、よく考えたらあの人たちはわれわれが日々支払ったり天引きされたりしてる税金の使いみちを決めてるわけですよね。そしてわれわれは選挙をつうじて、税金のつかいみちを決める役割をあの人たちに依頼することにしたわけですよね。それって業務委託みたいなものなのでは?
だとしたら、業務委託先の業者がちゃんと仕事してるかどうか、クライアントとしてはやっぱり気になるし、見せろっていう権利はあるよね。
さらにいうと、チェックしにいくスケジュールはできるだけクライアントの都合に合わせるのって普通だよね。
そう考えると、よくわからない休憩とかもやめてほしいし、たまには土日とか夜とかに本会議やってくれてもよいのではなかろうかとも思った。
まあでも傍聴はかなりオススメです。国会はネット中継もあるけど、その場に身を置くことで感じることはやはり大きかった。
応用編
プロ野球を球場で生観戦したら、家に帰ってからスポーツニュースでその試合の報道を見るのが昔から好きなんですよ。
なんとも言えない高揚感あるじゃないですか。謎のワクワク。
最近なんとなくこういうことかなって考えたのが、あのワクワクは答え合わせの快感なのかなってこと。
その場でリアルタイムで感じたことや自分なりに解釈したことと、テレビの中の専門家の解釈の答え合わせ。
「4回裏のあのフォアボールからなんかおかしくなっちゃったんだよな」とか、「あのライトフライのとき絶対タッチアップすべきだったよな」とか、外野席から遠目に眺めてて感じたことを、テレビの中の古田とか桑田はどう解説するのか。
国会の傍聴だと、その種類のワクワク感をもっと多角的に味わうことができるってこともわかった。なんといってもスタンスの異なる新聞各社がそれぞれの観点で施政方針演説とかその他の質疑について解説してる。
ラジオだと、TBSラジオの「荻上チキ Session-22」って番組が国会についてはとにかく丁寧に掘り下げてることで有名ですね。
今回の施政方針演説についても、実際の音声をまじえてめっちゃ詳しく解説されていたので、答え合わせのワクワク感をたっぷり味わえました。