森の掟

J-POPやメタルやフェスや音楽番組なんかの批評(という名の無益な墓掘り行為)

髭男も猿岩石も、みんな後ろめたさを歌ってきた

髭男、猿岩石、Ado、SEKAI NO OWARI、MOROHAが歌ってきた「後ろめたさ」の系譜について。

実は今年もフジロックに行ってきた

実は今年のフジロックに行っていました。 最終日8月22日の1日券をずっと前に買っていたんだけど、当日の朝まで行くかどうか決めかねていて、発券もしていなかったほど。 で、いろいろ考えた末に行くことにした。 2020年は開催されず、2021年も入場者数を半数…

ハードオフでウサギ狩り、または退屈しのぎに親になること〜『暇と退屈の倫理学』より

人間はなぜ退屈するのか。なぜ退屈に耐えられないのか。なぜ初物を見たら寿命が75日のびるのか。

すべてのJ-POPはリズム歌謡である

すべてのJ-POPはパクリである。ということはすべてのJ-POPはリズム歌謡なのです。

音の不良性感度〜LL教室「J-POPの構造」浜崎あゆみ論サブテキスト

90年代からゼロ年代にかけて、不良性感度が高い音が変遷しており、浜崎あゆみはその変化にうまく乗ってきたという話

J-POPが新聞を殺した

この20年で新聞の発行部数は3分の2になった。いろんな要因があるなかで、主犯格はJ-POPだと思う。J-POPが発するメッセージの問題についてちゃんと考えてみたい。

「関ジャム」の『J-POP20年史 2000~2020プロが選んだ最強の名曲ベスト30』で10年代が手薄だった理由

2021年3月3日にテレビ朝日で「関ジャム 完全燃SHOW」のゴールデン特番として、『J-POP20年史 2000~2020プロが選んだ最強の名曲ベスト30』が放送された。 ここでいう「プロ」とは、いしわたり淳治やいきものがかり水野良樹、ヒャダイン、もふくちゃんといっ…

『人志とたけし: 芸能にとって「笑い」とはなにか』杉田俊介

最近の松ちゃんはなんであんな感じなのか?っていうのは自分もずっとモヤモヤしていたので、『人志とたけし』の松本人志論にはすごく刺激をうけた。 その上で、若干感じ方が違うなと思ったところがあったので、せっかくの機会なので自分なりに松本人志につい…

うちの子には「育ちがいい」子供になってほしい

ずっと謎だった「育ちがいい」っていう言葉の意味が、「文化資本」という社会学の概念によってちょっとわかったかもしれない。 子を持つ親のひとりとして、じゃあどんな文化資本を子供に渡すことができるのか、ついでにそこまで考えてみた。

ビートルズの新譜が一気に6枚リリースされた件について

今年リリースされたビートルズの新しいアルバム、みなさんはもうチェックしただろうか。 まあほとんどの人がチェックしてないと思う。 そんなものリリースされてたっけ?という反応でしょう。 しかし、間違いなくリリースされています。しかも一気に6枚も。

数えてみたら筒美京平は8人いた【プレイリストあり】

筒美京平は一人しかいないと松本隆は言ったけど、一流の職業作曲家8人分の才能が、筒美京平という一個人の中に詰まっていたと思う。

中小企業が多すぎると思ってる人に知ってほしい50年前のヒットチャート

菅総理は中小企業の統合・再編を促進すると表明したらしい。 儲かってなかったり将来性がなかったりする中小企業は潰してもいいのか。考えてみました。

シティポップと百姓

かつて「百姓」という言葉が攻撃力の高い侮辱ワードだった時代があった。 なぜ「百姓」に攻撃力があったのか、なぜその攻撃力が失われたのか、シティポップやJ-POPの移ろいとともに考えてみた。

異世界ファンタジーとしての円高ラテン歌謡【プレイリストあり】

海水浴場も花火大会も海外旅行もない2020年の夏。 夏を満喫しようにもいろいろ禁じられている中で、そのくせ気温ばかりがうなぎのぼりしやがって、40度が突飛な比喩じゃなく現実のデータになっている8月。 それでもつい習慣的に夏向きのプレイリストなんてつ…

かえせ!ブーガルーを

Black Lives Matter運動に便乗して暴れているといわれてる極右グループが、なぜ「ブーガルー」という、黒人やラテン系のカルチャーに由来する言葉を使うのか。腹が立ったので調べてみました。

音楽好きの親にオススメしたい、曲がいいキッズむけ映画×6

一日中ずっと家にいる昨今の子供たち、音楽好きの親としては、どうせなら音楽がいい映画なんかを観といてもらいたい。流れる曲が親も好きな曲だとありがたい。そこで今日はうちの親子ともにハマった、音楽がいいキッズむけ映画をご紹介します。

50年前の日本はヤバかった。サブスクで聴けるGS(グループサウンズ)まとめ【必聴プレイリストあり】

軽薄でがむしゃらで夢見がちで熱いGSのパワーをおすそ分けしたく、AppleMusicとSpotifyの2大サブスクでプレイリストを作ってみました。

バンドブーム期って案外ラテンでアフリカンでトロピカルだったよ【プレイリストあり】

バンドブーム期ってタテノリのパンク一辺倒ではなく、実はラテンでアフリカンでトロピカルな曲が案外多い。 ギター、ベース、ドラム、キーボードっていう基本的なロックバンドの編成でそういったリズムに取り組んでいる曲たちを集めてみたらおもしろいんじゃ…

J-POPが滅んでも演歌は生き残ると思う(演歌の定義・なりたち・未来)

2020年2月22日リリースの都はるみトリビュート・アルバム『都はるみを好きになった人』がとにかくすばらしい。 参加アーティストはUA、畠山美由紀、高橋洋子、水谷千重子&Chage、一青窈、怒髪天、ミッツ・マングローブ、大竹しのぶ、そして民謡クルセイダー…

「誰も傷つけない笑い」は偉いのか

「誰も傷つけない笑い」ってフレーズを初めて聞いたときに感じた、よくわからない違和感。そのままにしておくのが気持ち悪かったので、ちょっと考えてみました。 ブスを笑えなくなったのはいつからなのか?最近の風潮が息苦しい気がするのはなぜなのか?

軽い気持ちではじめての歌舞伎

先日の国会傍聴に引き続き、有給消化による平日の休みを有意義にすごしたいシリーズ第二弾。 今回は歌舞伎座で歌舞伎を観てきました。 しかも1000円で。 歌舞伎のことほぼ知らない状態で行っても大丈夫だってことがわかったので、声を大にしてオススメするよ…

軽い気持ちではじめての国会傍聴

実は誰でも国会に入って本会議を傍聴できる。だけど実際やってみるとすごくわかりにくい部分があり、ネット上の情報だけでは全然足りなかったので、そのあたりも詳しく書きました。ガイドとしてもお役に立てたら幸いです。結論として、傍聴はすごくおもしろ…

ミュージシャン/DJ目線で選んだサザンオールスターズ必聴プレイリスト21曲

15枚のアルバムと55枚のシングルが一気にサブスク解禁されて、どこから聴けばよいのやらってなってる若い人は多いと思うので、そういった、ベースやドラムやパーカッションがかっこいい仕事をしてる曲でプレイリストを作ってみました。 「TSUNAMI」や「いと…

ユニコーンの『服部』が30年後の日本のロックに与えた影響

はっぴいえんどの『風街ろまん』や、シュガー・ベイブ『SONGS』、サザンオールスターズの『熱い胸さわぎ』、ザ・ブルーハーツ『THE BLUE HEARTS』、フィッシュマンズ『空中キャンプ』など、日本のロック史上にはいわゆる「名盤」とされる数々のアルバムが存…

『ザ・ダート: モトリー・クルー自伝』にみる「誠実さ」

「もう二度とツアーをやらない」という契約書を爆破する映像が話題となったモトリー・クルー。 来年あたり再結成ツアーをやるらしいですね。 今回の再結成の機運が盛り上がったのは間違いなくネットフリックス限定で公開された『ザ・ダート: モトリー・クル…

小沢健二『So kakkoii 宇宙』はよその子を祝福して北島三郎を更新する

小沢健二の歌ものオリジナルアルバムとしては17年ぶり(!)になる『So kakkoii 宇宙』がリリースされた。 So kakkoii 宇宙 アーティスト: 小沢健二 出版社/メーカー: Universal Music =music= 発売日: 2019/11/13 メディア: CD 1993年のソロデビューアルバ…

1997年の売れたいロックバンドが考えていたこと

批評家の矢野利裕くん、構成作家の森野誠一さんとわたくしハシノの3人でLL教室というユニットを組んでいまして。 90年代のJ-POPについて語るトークイベントを定期的に開催しているのですが、次回は11月10日(日)に1997年を中心に語る回をやります。 そこで…

実はたくさんあったビートルズの日本語カバーBest10+1(全部知ってたらすごい)

// 映画「イエスタデイ」が公開されたり、アルバム『アビイ・ロード』の最新リマスター版がリリースされたりと、久しぶりにビートルズが話題になった2019年秋。 そして来年(2020年)には解散から50年という節目を迎える。 これから世の中にいろんなビートル…

アイドルが結婚しても推せるか問題を上院公聴会のディー・スナイダーとか比叡山の沢田研二とかから考える

最近、現役アイドルが結婚を発表する事例が続いている。 Negiccoもでんぱ組.incもどちらも現役バリバリの人気グループであり、おふたりとも立ち位置は真ん中の重要人物。 アイドルというビジネスモデルは、ファンが抱く疑似恋愛感情のパワーをマネタイズする…

エルトン・ジョン「君の歌は僕の歌(Your Song)」の昭和・平成・令和のカバー10曲を聴き比べてみた!〜映画『ロケットマン』公開記念

エルトン・ジョン本人が監修した伝記映画『ロケットマン』が大ヒットしてますね。 エルトン・ジョンといえば、1970年から現在に至るまで、数々の名曲と数々の奇行でイギリスをはじめ全世界をの注目を集めてきたスーパースター。 この映画『ロケットマン』は…